名古屋市南区道徳駅近く歯医者|道徳通りよしかつ歯科

歯科・小児歯科・矯正歯科052-691-1222

歯茎が腫れた
出血・グラグラする

 私たちの歯は、根っこの部分が「歯槽骨」という土台の中に埋め込まれた状態で支えられています。その歯槽骨の表面を「歯肉」が覆っていますが、歯周病は歯を支えているこれらの組織が細菌に感染することで引き起こされる炎症性疾患です。歯そのものが健康だったとしても、土台が壊されていくことで、歯が不安定になりやがて抜け落ちていきます。

 歯周病は進行の度合いによって2つの段階に分けられます。

歯肉炎

歯肉炎とは

 歯肉炎とは歯肉だけが炎症を起こしている状態です。歯周病菌が歯肉溝に入り込んでいくと歯肉が炎症を起こし、赤く腫れた状態になります。

 歯を磨いて出血した経験をしたことはありませんか?歯肉炎を起こしていると出血することが多くなります。「炎症」とは細菌やウィルスなどの「異物」が体内に入ってきた時に、それを攻撃して体を守ろうとする防御反応です。異物が侵入した部位では、多くの血液を取り込むために血管が広がり、赤くなります。白血球が細菌やウィルスと戦い、やっつけられた異物の残骸が膿となって出ていきます。炎症が起きると赤く腫れたり膿が出たりするのはこの働きのためです。つまり、歯周病にかかると歯肉に炎症が起きるのは、歯周病菌という異物を体から追い出し、自らを守ろうとするからです。歯肉が炎症によって腫れることで歯肉溝は本来の健康な時よりも深くなり、3〜4mm程度の「歯周ポケット」を形成します。

 この段階でいかに食い止めるかが重要となりますが、歯周病は自覚症状が乏しく、大半の人はこの事態を見過ごしてしまいます。「歯磨きでちょっと血が出るくらいなら、別に問題ないだろう」という気持ちでそのまま放置してしまうと、歯周病菌はポケットの奥へさらに入り込み炎症がじわじわと進行していきます。

歯肉炎の図

治療方法

 歯周病治療は大きく分けて2つあります。
1つは、歯周病の「進行を止める」方法、もう1つは壊れた組織を「再生させて戻す」という方法です。「進行を止める」というのは、歯周病の進行度合いにかかわらず必ず行われる歯周病治療の基本といえます。

 歯肉炎や軽度の歯周炎であればこの基本治療のみで改善が見込めます。歯周基本治療として、歯科医師、歯科衛生士による口腔清掃指導、歯垢・歯石除去(プロフェッショナルケア)と、患者さん自身が行う「セルフケア」を併せて行います。

口腔清指導
口腔清指導
歯垢・歯石除去
歯垢・歯石除去
セルフケア
セルフケア

歯周炎

歯周炎とは

 歯肉の内側の歯槽骨にまで影響が及んでいる状態です。歯肉炎の状態からさらに炎症が進むと、歯周ポケットはさらに深くなり5mmを超えるほどの深さとなります。この状態になると、歯肉の内側では歯槽骨が溶けていて、本来の位置よりも高さが下がっていきます。これに伴い、歯肉の位置も下がり歯が長くなったように見えます。

 歯槽骨が溶けるのは、歯槽骨の中にある「破骨細胞」という細胞が炎症によって活性化されるためです。活性化された破骨細胞は、まさにその名前のとおり、自ら骨を破壊していきます。これを「骨吸収」といいます。骨は、破骨細胞による「骨吸収」と、骨芽細胞による「骨形成」が生涯にわたり繰り返され、新陳代謝が行われていることで健康な状態が保たれています。

 炎症が起こると、破骨細胞ばかりが活性化してしまい骨が溶けていってしまいます。
この段階まで進むと本人も、口の中がねばつく、口臭が気になるなど異変を徐々に自覚するようになります。炎症がさらに進むと歯と歯の隙間がかなり目立つようになり歯が細く長く見えるようになります。

 強い炎症によって歯肉から出血したり、膿が出たりするため口臭が強くなります。同時に歯がグラグラと動くようになるため、本来の位置から歯が移動してしまい歯並びが乱れていきます。こうなると、食べ物を十分に咀嚼できないようになります。

歯周病の図

治療方法

 歯周病治療は大きく分けて2つあります。
1つは、歯周病の「進行を止める」方法、もう1つは壊れた組織を「再生させて戻す」という方法です。

 「進行を止める」というのは、歯周病の進行度合いにかかわらず必ず行われる歯周病治療の基本といえます。歯周病が中等度以上に進行してしまうと、歯周ポケットの奥深くまで歯垢が入り込んでしまい、歯科医師、歯科衛生士による口腔清掃指導、歯垢・歯石除去(プロフェッショナルケア)と、患者さん自身が行う「セルフケア」の歯周基本治療だけでは歯周病の進行を止めることができません。

 歯周基本治療を行なっても改善しない場合は、歯周外科治療を行います。

 歯周外科治療には大きく2つあります。
1つは、歯周ポケットの奥深くにある歯垢や歯石を、歯肉を切開して歯槽骨から剥がし、除去する方法があります。(フラップ手術

 もう1つは、壊れた組織を「再生させて戻す」という方法、「歯周組織再生療法」です。
可能な限りもとの歯周組織に近い状態に戻すことを目指す治療法です。

 歯周病が悪化している場合はいくら進行を止めても溶けた骨までは元に戻せません。壊れた土台をつくり直すことで、自分の歯をできるだけ残し、噛める状態を維持します。

〜フラップ手術〜

歯肉を切開して視野を確保、直視できる状態で歯石、不良肉芽を除去して縫合する方法です。

①歯肉を切開
歯肉を切開
②歯石の除去
歯石の除去
③縫合
縫合

〜歯周組織再生療法〜

 歯肉を切開して視野を確保、直視できる状態で歯石、不良肉芽を除去、骨の再生を促す薬を塗布して縫合する方法です。

①歯肉を切開
歯肉を切開
②歯石の除去
歯石の除去
③骨補填剤・エムドゲインゲル塗布
骨補填剤・エムドゲインゲル塗布
④縫合
縫合
Q&A

歯周病は何歳くらいから気をつければ良いでしょうか?

 40歳以降から歯周病のリスクは上がると言われています。歯周病は糖尿病、高血圧症といった生活習慣病の一つであり、初期段階では本人にあまり自覚症状がないため、サイレント・ディシーズ(静かな病気)と言われています。気づいた時にはかなり進行しているケースも多く、歯を失う原因の4割以上は歯周病と言われています。

歯周病の治療をしないとどうなりますか?

 歯を失う原因の4割以上は歯周病と言われています。歯を失うことで生活の質の低下、口臭の原因にもなります。

治療後もメンテナンスは必要ですか?

 定期的なメンテナンスは自分では気づけないむし歯や歯周病の早期発見をすることができます。メンテナンスに通っている人とそうでない人とは、将来残る歯の本数に違いがあり、治療の回数を減らし健康な歯を維持できるので治療費も削減できます。