虫歯かも!? 噛み合わせが原因かも!? 歯茎が下がってきてるかも!?
虫歯かも!?
「歯科医院で歯を削って詰めてもらえば、虫歯は治る」と思っていませんか?
虫歯の原因が改善されなければ、またすぐに新しい虫歯ができてしまいます。車の事故を考えてみて下さい。修理をして走れる状態になったとしても、運転の仕方や手入れが悪いとまた事故を起こす可能性があります。何度も事故を起こせばそのうち廃車になるでしょう。歯の治療も同じで削って詰めてを繰り返していくと、遅かれ早かれ歯を失います。虫歯の原因となる生活習慣を改善することこそが、治療の繰り返しをなくし、歯を健康に保つ鍵です。
そもそも虫歯とは
以前までは、虫歯は特定の細菌によって引き起こされる「感染症」と言われていました。現在は、様々な細菌が関わり合いながら、「環境の変化」によって起こる「非感染性」の疾患と言われています。
口腔内の常在細菌(約700種類)は糖質の頻繁な摂取によって、バイオフィルム中に酸を産生します。約700種類の常在細菌の中には、酸に弱い細菌と強い細菌が存在します。
酸に耐えられない細菌は減少し、酸に強い細菌だけが増加します。この酸に強い細菌が虫歯を引き起こします。
※バイオフィルムとは、細菌の集合体です。バイオフィルム1g(1円玉1枚と同じ重さ)の中には、約700種類、最大で1,000億個の細菌が存在します。例えば、お風呂の排水溝やシンクの三角コーナーなどで見られるヌルヌルを見たことありませんか?あれもバイオフィルムです。
甘いものを食べ続けると・・・
虫歯予防に重要なこと
●歯磨き
バイオフィルムを歯磨きでいかに取り除けるかが大事になります。歯磨きの仕方を伝えるのが私たちの役目です。
●フッ化物塗布
・歯の修復を早める(再石灰化促進)
・歯が溶けるのを遅らせる(脱灰抑制)
・歯を強くする
・細菌の活動を阻害する
このような効果があり高い虫歯予防効果が確認されています。
●頻回な糖の摂取を控える
・間食したい時はチーズ、ナッツ、生野菜など、飲み物は水、お茶にするなど工夫する。
・甘いものが欲しいときはキシリトールなどの代用糖を有効に利用しましょう。
●唾液
唾液は虫歯に対する最大の防御因子です。
・口の中に入ってきた糖を洗い流す。
・細菌が出した酸を中和する。
・溶けた歯を再石灰化する。
などの働きをしてくれます。
虫歯の治療とは!?回数は?
●虫歯が比較的小さい場合
コンポジットレジンという歯の色に似た材料を直接詰めます。
※治療回数は1回
●虫歯が比較的大きい場合
型取りをして部分的な人工物をセットします。
※治療回数は2回
●虫歯が大きい場合
虫歯が神経まで達していた場合は神経をとる根管治療、または神経を温存する処置(自費)をする必要があります。根の治療した歯は強度がおちるため被せ物にする必要があります。
※治療回数は根管治療が必要な場合は最低5回、必要でない場合は2回
〜根管治療の手順〜
噛み合わせが原因かも!?
噛み合わせについて
1本の歯の問題だけでなく、全体として安定した機能が営めるようになるには何が必要なのかということを考える必要があります。下顎が止まっている時も、動いている時も周辺の筋肉、関節、神経筋機構を含め、バランスが取れていることが重要です。
前歯を使うときは奥歯が休憩していて、奥歯を使うときは前歯が休憩しています。このように前歯と奥歯は分担作業しながら噛む力を分散しお互い助け合っていくのが理想的です。
しかし、骨格的(骨組み)の問題、歯並びが悪いと分担作業ができません。それによって奥歯に負担がかかると、歯が痛い・しみるなどの症状が出ることがあります。
下顎を前に動かしたときに、奥歯がすいている
下顎を横に動かしたときに、奥歯がすいている
これらの状態が理想的な噛み合わせです。
治療方法
●噛み合わせ調整
一度削った歯は戻ってきません。咬合器(口腔内の状態を再現できる装置)を使用して、咬合器上で調整が必要な部位を確認した上で口腔内で実際に噛み合わせの調整をしていきます。
●矯正治療
矯正治療によってバランスのとれた噛み合わせを目指します。
歯茎が下がってきてるかも!?(歯肉退縮)
歯肉退縮とは
本来であれば歯茎に隠れている歯の根っこの部分が見えている状態を「歯肉退縮」といいます。歯肉退縮の原因は色々あります。
歯肉退縮
正常歯肉
歯肉退縮の原因
●歯周病
骨の上に歯茎が張り付いています。その骨が歯周病により溶けてしまうと、歯茎も一緒に下がってしまいます。
●矯正治療後
矯正治療は、歯を動かす治療です。歯を動かす際に顎の骨から歯がはみ出てしまうと、歯肉退縮が起こります。
●歯磨きを必要以上に強く、大雑把にしている
歯磨きするときに、磨く強さが強すぎると歯茎が傷つき、退縮してしまいます。
●歯の位置が外側に位置している(飛び出ている)
歯を支えている骨が薄いと歯肉退縮の起こるリスクが上がります。元々の歯の位置が外側(唇側)に位置している時は、外側(唇側)の骨が薄い可能性が高く、歯肉退縮の原因になります。
●歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯を支える骨にとても大きな負担をかけています。骨の上に歯茎が張り付いていますので、歯肉が負担により下がることがあります。
治療方法
●歯ブラシ指導
歯磨きを必要以上に強く、大雑把にしている可能性があります。歯ブラシの力加減、あて方をアドバイスさせてもらいます。
●歯ぎしりや食いしばり
就寝時に上下の歯が直接当たらないように、クッションのような役割をしてくれるマウスピースを作製します。
●歯周病の治療
歯周病は自覚症状がなく進行していきます。一度歯科医院で精査しましょう。
→歯周病の治療へ
●根面被覆術
部分的に退縮してしまった歯茎に対して、上顎の歯肉を移植することで改善を図ります。歯ぐきが下がると、本来は歯ぐきで隠れていた歯の根元(根面)が露出してしまいます。露出した根面は冷たいものがしみる「知覚過敏」や、むし歯になりやすくなる「根面う蝕」という問題が生じます。
歯ぐきが下がって根面部分が露出しているということは、歯を支える組織が少なくなっているということです。その部分を移植した歯ぐきで覆って厚くし、歯ぐきの抵抗性を高めることにより、歯を将来的に維持していく大切な治療です。
根面を覆うことで、知覚過敏が抑えられ、さらに根面のむし歯予防にも役立ちます。露出した根面はエナメル質より酸に弱く溶けやすいですが、根面被覆によって、その影響を軽減することができます。
手術前
歯肉を切開する
歯肉をめくる
結合組織を貼り付ける